母子家庭と受検
収入に限界のある母子家庭ゆえに目指した都立中高一貫校でしたが、受検準備を進める中で良かったことは、『父親がいないこと』でした。
決裁者は母親である私のみなので、意見が割れることも、ケンカになることもありません。自分の裁量で自由に決められることは、無駄なエネルギーと時間を消費せずに済みました。
夫婦でお互いを信頼し思いやり、同じ方向を向いて共に子どもを導けるような関係であれば、どれだけ心強いでしょう。(そのような家庭を夢見て、結婚したはずでしたが…)
お互いに努力が足りず、信頼関係を築けない状態にあったので、離婚前の不仲な状態で娘の受検…とならなくて本当に良かったです。
悪かったことはふたつあり、ひとつは『収入が少ないこと』です。
仕事を少しずつ軌道に乗せ、安定した収入を得られるようになりましたが、金額としては多くはありません。
SAPIXの夏期講習などは5年生でもやはり高く、月々の収入ではまかなえなかったので、それまで貯めてきた子ども手当なども使いました。
それと同時に、断捨離に関する本やブログを読み漁り、自分の意識を改革して物欲・執着を手放し、支出を抑えるようにしました。
娘にも『大切なお金の中から、必要だと思って塾代を払っていること。決して安くなく、むしろ高いこと。やるからには精一杯頑張って欲しいこと』を折に触れて話していました。
(言わないよりは娘に伝わっただろうと思います)
悪かったことのもうひとつは、『家庭内に娘の逃げ場がなかったこと』です。
受検までに何度か、声を荒げたことがありました。もちろん娘は大泣き。負けじと私も「泣きたいのはこっちだよ!」と娘を攻め立て…そんな時にフォローしてくれる人も、甘えさせてくれる人もいません。
私も出来るだけ早めに頭を冷やして、娘のフォローにまわる必要があると分かっていましたが、娘の就寝には間に合わず、翌日まで持ち越すこともありました。
娘はあまり引きずるタイプではないので、長くても翌朝には仲直り…声を荒げたこと、言い方がキツかったことに対してごめんね、と謝りました。(私が怒った原因を娘が作っているので、怒ったことについては謝りません)
幸いなことに、隣の区に私の両親や祖母が住んでおり、うちの孫・ひ孫は世界一可愛くて頑張り屋さんで最高!こんな子を怒るなんて、お母さんはひどい人!と、とことん甘えさせてくれるタイプだったので、私たち親子の助けになりました。
離婚したことで、都立中高一貫校を目指すことになりましたが、離婚していなかったら、精神的にも金銭的にも不安定すぎて、合格はさらに難しかったと思います。